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これだけは知っておきたい葬儀の基礎知識 第6回「数珠(=念珠)」

数珠のうんちくと使い方

■そもそも数珠(じゅず)とは?
通夜やお葬式に参列するときの必需品ですが、大前提として仏式のお葬式に限られます。
数珠の由来については諸説あり、珠の数が108個を基本とするので、
108つとされる人間の煩悩を表しているという説がポピュラーです。
数珠をこすり合わせることで、その煩悩を消すことができるというわけです。
また数珠という文字の通り、念仏を唱える回数を数えるために用いたのだとの説もあり、
様々な要素が積み重なって今日に至ったようですね。
ところで数珠は上伝仏教(南方仏教)では用いられておらず、古代中国(隋・唐)で登場し、
日本には8世紀ころにもたらされたとされています。
数珠の数は108個が基本と書きましたが、ここから54個、27個のものが派生しています。
各宗派により独自の定めがあり、それぞれ意味を込めていますが、一般の信者が
(仏教徒という自覚のない人も)宗派に関係なく使える数珠もあります。
普通にお葬式で見かける数珠は、ほとんどがこの略式数珠と言っても良いでしょう。

■基本的な使い方
数珠は左手で持つのが正しい作法です。着席しているときは左手首に掛けておきます。
焼香の時などは左手の親指以外の4本指を通して持ちます。
合掌するときは、焼香のときと同じく左手の指4本に掛けるか、または合わせた両手に掛けます
(この時も親指以外の指に掛けます。つまり合わせたての親指と人差し指の間に掛けることになります)。
焼香台まで歩くときは、左手で輪を持ち房が下になるようにします。

■宗派ごとに決まりがありますが…
先に書いたように、厳密には各宗派ごとに数珠についての決まりごとがあります。
たとえば浄土宗では二連の輪違いの数珠を使いますが、その他の宗派では基本的に108つの珠が連なる長い数珠を使います。
ただ親玉や房の数、その付け方などにそれぞれ違いがあるのです。
僧侶が二重にして使う場面をご覧になったことがあるかもしれません。
各宗派の理念の違いが数珠の作りの違いに表れているわけですが、
現在では宗派を問わずに使える略式の数珠を用いても礼を失したことにはなりません。
上にある写真は略式の男性用の数珠です。数珠の素材は色々ありますが、写真のものは菩提樹の実で作られています。
このほかに水晶やサンゴ、真珠、タイガーアイ、アメジストなどなど様々な素材があるので、
実際に見て選ぶのが良いでしょう。
注意点は男女の別があるのでそれぞれあったものを選ぶこと、家族間でも数珠の貸し借りはいけないので、
一人に一つ必ず用意するということです。

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