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これだけは知っておきたい葬儀の基礎知識 第4回「喪服の常識」

お葬式のTPO

お葬式の服装にはルールがあります。といっても最近では、喪主でも参列者でも黒の上下を
着ておけば大体は恥をかかずに済んでしまう、という状況も見受けられます。
ただ、正式なルールを知ってアレンジするのと、知らずに人まねでするのでは、やはりどこか微妙に違いが出ます。
まずは基本的なルールを身に付けておきませんか。

■喪主の場合
遺族を代表し葬儀を主催する立場にあるので、正式な礼装を身に付けるのがマナーです。
以前は喪主になると男女ともに和装の礼装、男性ならいわゆる“紋付羽織袴„が常識でした。
しかし昭和の時代ならともかく、令和の現在では洋装が主流といっても良いでしょう。
洋装で正式礼装だと、男性は黒のモーニング、女性は黒のワンピースやアンサンブルということになります。
著名人のお葬式のニュースをテレビで見ると、黒のモーニング姿でスピーチをする場面などを見かけますが、
あのスタイルです。
しかし、これもよほどの格式で葬儀を営む場合で、一般家庭では、まして家族葬で送るなどという場合は、
礼装用の黒のスーツで十分でしょう。もちろん白いワイシャツと黒のネクタイであることは言うまでもありません。

■喪主以外の親族の場合
本来は三親等以内の親族も正式礼装とするマナーブックが多いですが、喪主に合わせて考えると、
略式礼装で過不足はないと言えます。

■参列者の場合
参列者の場合も、普通は喪服(略礼服)の着用が望ましいのですが、最近は派手でなければ平服でも
構わないというのが常識になりつつあるようです。
男性の場合は黒や濃紺、濃灰色のスーツに、白いワイシャツと黒のネクタイが標準的です。
注意点としては柄の無いスーツで、生地に光沢のないものにすることです。
意外と見落としがちなのが靴下なので気を付けましょう。靴下は絶対に黒です。
女性は黒のワンピースやスーツ、アンサンブルになります。袖やスカート丈は長めで、
可能なら膝が出ない長さが望ましいですね。要は肌の露出を抑えるということです。

■靴・バッグなど
女性が気を付けなければならないのはバッグやアクセサリーです。
これらの小物も基本的には黒で統一します。正式なバッグを言うなら、光沢のない布製が正しい持ち物です。
一方、ワニ革やオストリッチなど動物の革製品は、たとえ黒であってもタブーです。
装身具ですが、ネックレスやイヤリングは真珠が基本です。オニキスなど黒い貴石類も許されますが、
一般的な宝石類は一切不可です。
靴は、男女ともに黒になります。男性が注意しなければならないのは、紐の靴が標準であり、
スリッポンなどのカジュアルな靴は本来マナー違反になります。
また金属のアクセサリーの付いた靴は、たとえ黒靴でもマナー違反になりますから注意です。

■子供の場合
子供については、男女ともに白いシャツに黒・紺・グレーなどの地味な色のスラックス、
スカートを合わせれば問題ありません。
冬場は、同様にダークカラーの上着、セーターを組み合わせることになります。
高校生(場合により大学生も)までの子供で、学校の制服がある場合は制服が一番です。

■その他
女性は髪型やメイクなどにも注意が必要です。髪はスッキリと清潔感が出るようにまとめます。
メイクも控えめにし、香水なども控え気味にします。
最後に忘れてはならないのが数珠です。これはアクセサリーではなく、お通夜や葬儀には欠かせない
宗教的な道具なのです。どこのご家庭にも一つや二つはあるかと思いますが、
数珠には本来、宗派ごとに決まった形があり、また男女の区別もあることをご存知ですか。
女性用の数珠は男性用より少し小ぶりな作りになっています。
数珠を用いる場合は、正しくは自分の家の菩提寺の宗派の数珠を使うのが正解です。
また参列者として参加する場合は、相手の宗派に合わせられれば一番ですが、
少なくとも自分の属する宗派の数珠を持参すれば問題はありません。
最近では、宗派の理解が薄れていることなどから、どの宗派でも使える略式数珠なるものがあります。
仏具店などで、男女の別も含めて確認しながら買い求めればよいでしょう。

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