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これだけは知っておきたい葬儀の基礎知識 第5回 「焼香」

焼香にも作法があります

お葬式に参列した際に、僧侶の読経の途中で「ご焼香をどうぞ」との案内で始まる焼香。
多くの人は正式な焼香の作法を習う機会がなかったはずですから、前の人のマネをして
済ませる方も多いことでしょう。故人の冥福を祈る気持ちがあれば、細かなカタチには
こだわらずとも良いのでは?
これはこれで間違いとも言えませんが、ある程度は作法としての焼香を知っていた方が、
よりスムーズに弔意を表せるのではないでしょうか。

■焼香とは?
香を焚いて亡くなった方を拝む行為が焼香です。
そもそもは仏教発祥の地であるインドで、防臭のために用いられていたと言われています。
それが仏教とともに伝わり、日本では仏事になったとのこと。
なので、日本で香を焚くのは、基本的に葬儀や法事などの仏事に限られています。
その目的は自らの心身を浄化して仏や故人に向き合い、仏には敬意を故人にはその冥福を祈るため、
とされています。由来からすると仏事に限られるのも当然ですね。
ちなみに、焼香には線香を用いる場合と抹香の場合がありますが、一般的には「焼香」という場合は
抹香を焚くことを指します。これに対し線香を焚く場合は、墓参などで行うように「線香をあげる」
という言い方が普通です。仏壇にも「線香をあげる」と言いますよね。
ただ、いずれも目的は同じです。

■焼香の作法
焼香は、基本的には右手の三本(親指・人差し指・中指)の指で抹香をつまみ、目の高さに持ち上げてから、
香炉の上に指を持っていき中に落とします。宗派によって異なりますが、この動作を1~3回繰り返すのです。
この回数は宗派により違っており、本来は故人の宗派に合わせるのが丁寧ではありますが、
現在では厳密に合わせることはほとんどないようです。
むしろ葬儀の参列者の人数と時間など、外的制約で回数が指定される場合があります。
ですが、たとえ1回に制限されても、故人を弔う気持ちがあればそれで良いと思います。

■「立礼、座礼、回し」3通りのやり方
焼香には立って焼香をおこなう「立礼焼香」、座ったままでおこなう「座礼焼香」、
お盆にのせた焼香台を参列者に順番に回していく「回し焼香」の3種類の方法があります。
式場が斎場の場合、立礼焼香が一般的で、参列者は順番に焼香台と香炉の前まで行き、
立ったままで焼香をおこないます。
標準的な作法は、次の通りです。

1.順番が来たら祭壇の前まで移動する
*座礼式は、この時立ち上がらずに膝行(もしくは中腰)で移動します
2.祭壇の手前で遺族と僧侶に一礼
3.焼香台の前で遺影に一礼
4.左手に数珠を掛ける
5.右手の親指・人差し指・中指の3本で軽く抹香を摘まむ
6.香炉の上に落とす
*焼香の回数は宗派により異なり、1~3回程度です。参列する葬儀に適した回数で焼香しますが、
特に定めがないときは、その場の流れに合わせて行うのが良いでしょう。
7.遺影に合掌をして一礼
8.席に戻る
*座礼式は、この時の移動も膝行または中腰で移動します。

回し焼香は会場が狭い場合など、焼香台の前に行くのではなく、焼香炉を順次参列者に回すやり方です。
作法としては、座ってその場で焼香することから、部分的にやり方が変わります。
1.香炉が回ってきたら軽く礼をして受け取る
2.香炉を自分の前に置き、祭壇に向かって合掌する
3.焼香し、合掌して一礼する
4.次の人に焼香炉を回す
焼香炉を膝の上に置かざるを得ない場合がありますが、十分な注意が必要です。

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